HubSpotのマーケティングイベントと取引をつなぎ、イベント別の商談・受注の状況を見る活用例を紹介。関連付けの考え方、集計期間、重複金額、売上貢献との違いを図と実画面で整理します。
展示会やウェビナーの参加履歴はHubSpotに残せた。その後、どの商談につながり、受注まで進んだのか。イベントの振り返りでそこまで話せるようにするには、参加者数とは別に、取引との関係を残しておく必要があります。
マーケティングイベントと取引をつなぐと、開催回ごとに、どの商談が関係し、どこまで進んだかを振り返れます。この記事では、関連付けの考え方とレポートの見方を、元資料の実画面や集計例とともに紹介します。
参加者数、関連する商談、売上への貢献を分けて見る
「成果を見たい」とき、参加者の反応、関連する商談、売上への貢献配分では、必要なデータが異なります。まずは会議で答えたい問いを一つ決めましょう。
| 知りたいこと | 見る情報 | 判断するときの前提 |
|---|---|---|
| 接点を持った人は誰か | 開催回ごとの登録・参加履歴 | 参加の基準を揃える。商談数とは別に見る |
| どの商談につながったか | イベントと関連付けた取引の件数・進捗 | 新規に生まれた商談と、進行中の商談への接点を区別する |
| 受注まで進んだか | 関連取引の受注件数・金額 | 集計期間と重複の扱いを決める。因果や貢献配分までは示さない |
このページで作るのは、イベントに関連する取引の状況を確かめるレポートです。イベントがなければ商談は生まれなかったのか、複数の接点へ売上を何割ずつ配分するのかは、この集計だけでは判断できません。
先に、どの取引をイベントへ関連付けるか決める
イベントでの会話や開催後の相談から商談が生まれたら、営業担当者が接点を確認し、該当するマーケティングイベントと取引を関連付けます。先に決めたいのは、「どの取引を関連付けるか」です。
例えば、開催後に新しく生まれた商談と、開催前から進んでいた商談では意味が違います。既存商談の担当者が参加しただけで、新規案件の創出として数えるのは避けましょう。関連付ける理由や判断日をメモに残しておくと、後から数字を確かめやすくなります。
最初は「開催中の相談や、開催後の個別対応が商談化のきっかけになったもの」を対象にする、といった運用から始められます。開催後30日以内などの期間を置く場合も、それは自社の管理ルールです。その期間に作られた取引をすべて、イベントが生んだ商談とみなすわけではありません。
取引の作成時、または作成後の確認時など、いつ誰が記録するかも決めます。主なきっかけを一つだけ集計したい場合と、複数のイベントとの接点を残したい場合では、イベント別合計の読み方も変わります。両方を混ぜず、関係者で基準を共有してください。
開催回を確かめて、取引と関連付ける
取引と対象の開催回を関連付けておくと、商談からイベントの接点をたどれるようになります。取引の作成時に開催回を選ぶ運用なら、担当者が商談を登録するときに、その背景も一緒に残せます。どの回かを取り違えないように、開催日やレコードIDも手がかりにします。
この画面のように、取引作成フォームへ開催回の関連付け欄を設ける運用もあります。表示される項目は環境によって異なります。
また、コンタクトの参加状態を記録する処理と、取引をイベントへ関連付ける処理は別です。Zoomから参加履歴が同期されたことだけで、その人に関係する取引まで自動的に紐付いたと判断しないようにします。
一致する値を元に取引とマーケティングイベントを関連づける
取引とマーケティングイベントは、ワークフローのアクションで自動的に関連付けることも可能です。このワークフローでは、登録された取引とマーケティングイベントを、取引側「最後に参加した展示会名」とイベント側「名前」の一致で関連付けています。
今回は一番わかりやすい名前ですが、名前でなくてもIDだったり、他の項目でも一致するものがあれば構いません。コンタクトに紐づける形で取引を作成する際に、コンタクト側に持たせていたマーケティングイベントに関連する値を引っ張ってくることが有効です。
商談の件数・進み具合と、受注金額を分けて集計する
商談のレポートではイベント別の関連取引件数と現在のステージを見て、受注のレポートでは対象のパイプラインの受注ステージに絞り、件数と金額を確認します。
件数は、取引IDのユニーク数として確認します。金額は合計・平均などの集計方法と通貨を確認してください。件数をユニークにしただけで、金額の重複も解消したとは限りません。
参加者数と取引の状況を並べると、「集客できたか」と「商談につながったか」を別々に振り返れます。人数が多い回でも、商談の進み方が同じとは限りません。
比較するときは、同じ開催期間・パイプライン・通貨で見ているかを揃えます。商談が作られた時期と受注した時期も分け、開催からどれくらい経った時点の数字かを合わせると、違いを読みやすくなります。
例えば「10月開催のイベントに関連する取引」と「10月に受注した取引」では対象が変わります。両方の日付条件を同時に使えば、11月以降に受注した案件は含まれません。比較したい問いに合う期間を指定します。
また、最近開催した回と半年前の回では、商談が進むための時間が異なります。開催30日後・90日後など、同じ経過期間で確認する運用も考えられます。現在のステージと、過去に通過したステージの履歴も分けて読みましょう。
同じ取引を、イベント間と明細内の二つの場所で重複確認する
集計の例として、100万円の取引D001を展示会AとウェビナーBの両方に関連付けた場合を考えます。以下は説明用の想定例です。
| 見る範囲 | 関連する取引 | 受注金額の表示例 |
|---|---|---|
| 展示会A | 取引D001 | 100万円 |
| ウェビナーB | 取引D001 | 100万円 |
| 会社全体で取引IDを重複除外 | 取引D001の1件 | 100万円 |
イベント別にはそれぞれ100万円と表示できても、二つを足した200万円を会社全体の売上として扱うことはできません。 同じ案件が二つの接点に関係しているためです。
もう一つは、一つのイベントの明細内で起きる重複です。同じ取引に複数の参加者が関係していると、参加履歴やコンタクトを組み合わせた結果、同じ取引が複数の行に現れる場合があります。取引ID・イベントIDの組み合わせと金額を照合し、合計が増えていないかを確認します。
同額の別案件を誤って一件にまとめないように、金額の値のユニーク数で取引を識別しないことも大切です。集計が合わない場合は、参加者の内訳などを一度外して経路と明細を確認し、必要なら別レポートに分けます。
数字から、次のフォローと開催企画を決める
このレポートで分かるのは「そのイベントに関連付けた取引の状況」です。参加者が多くても商談が少ない場合は、対象者や案内内容、フォローの実施状況を見直す手がかりになります。商談は多いが受注まで進んでいない場合は、経過期間や営業の次の対応を確かめます。数字だけで原因を決めず、該当する取引の会話や担当者の判断も合わせて見てください。
まずは一つの開催回で、関連付ける基準を決め、取引の明細を確かめ、商談と受注を分けて集計してみましょう。参加の記録から営業の次の対応までつながれば、開催回を重ねても同じ前提で振り返りやすくなります。
履歴の集め方から整理したい方は、マーケティングイベントの全体ガイドも合わせてご覧ください。