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HubSpot Breezeアシスタントの使い方|できること・プロジェクト・権限設定

この記事には、soma24ニュースレター Vol.34(2026/02/03配信)、Vol.45(2026/04/21配信)で取り上げた内容が含まれています。ブログ向けに加筆・再編集しています。

旧記事の公開日:

こんにちは、西岡です。

HubSpotの画面で顧客情報を確認して、そのまま打ち合わせの準備や記録まで進める。Breezeアシスタントは、こうした日常業務で使える会話型のAIです。

ただ、使える機能が増えるほど「何を任せるか」「CRMを書き換えてよいか」を決めておく必要も出てきます。この記事では、基本機能と使い方、業務別に使うためのプロジェクト、導入前に確認したい権限設定を整理します。HubSpotのAI全体や外部AIとの使い分けは、HubSpotとAI 活用ガイドをご覧ください。

旧記事で紹介したカスタムアシスタントと専用モバイルアプリは提供が終了しています。現在のプロジェクトとHubSpotモバイルアプリを前提に、内容を更新しました。

Breezeアシスタントとは

Breezeアシスタントは、HubSpot内で質問、情報整理、文章作成、対応する操作の実行を支援するAIです。確認したいCRMレコードを指定し、その情報を使って次の仕事につなげられるのが特徴です。

Breezeアシスタントの日本語ホーム画面。
Breezeアシスタントの日本語ホーム画面。

押さえておきたい点は、次の3つです。

  • Breezeアシスタント本体は無料で利用でき、HubSpotクレジットも消費しません。無料ツールを含む全製品・プランが対象です。
  • 参照できるデータや実行できる操作は、AI設定、ユーザー権限、接続先などによって変わります。
  • パソコンのほか、iOS・AndroidのHubSpotアプリでも利用できます。モバイルでは音声入力も使えます。

※無料なのはアシスタント本体の利用です。クレジット対象のエージェントや機能を実行した場合は、その機能の利用分としてHubSpotクレジットを消費します。ワークフローや見積もりなど、契約プラン・シートが必要な機能の条件も引き継ぎます。

外部AIに「このコンタクトの情報を見て」と毎回コンテキストを渡す必要がないぶん、CRM上の日常業務の中で自然に使える、というのが設計思想です。

Breezeアシスタントでできること

現在のBreezeアシスタントで使える機能を一覧にまとめました。チャットから呼び出す機能に加え、HubSpotの編集画面やレポート画面に組み込まれた機能も含めています。

CRMデータの検索・操作

機能できること利用条件・制約
レコードの検索・一覧化条件に合う会社や取引などを検索する。ユーザーがアクセスできるレコードが対象。
レコードの作成・更新新規レコードを作成し、対応する既存レコードの項目を更新する。対象オブジェクトの作成・編集権限に従う。
メモの追加・確認対象レコードにメモを残し、過去のメモを確認する。関連付け先のレコードを指定する。
レコードの要約コンタクト・会社・取引・チケットのプロパティーや活動履歴を整理する。AI設定とレコードへのアクセス権限が必要。
プロパティーの作成名前、型、選択肢などを自然言語で指定し、プロパティーを作成する。プロパティー設定の編集権限が必要。
製品ライブラリーの管理製品の作成・編集、価格や構成の説明に対応する。製品編集権限が必要。段階別価格にはRevenue Hub Professional以上と対応シートが必要。
購買グループの組織図作成会社・取引の関係者とその関係を、購買グループとして整理する。Sales HubまたはService HubのProfessional以上、対応シートが必要。ベータ版。
コンテンツの生成・編集
機能できること利用条件・制約
ブログ・ページ・Eメールなどの文章生成ブログ下書き、ページ本文、マーケティング/営業メール、ナレッジ記事、CTAなどの文章を生成。チャットに加え、各編集画面からも利用できる。対象ツールの契約と編集権限が必要。
文章の書き換え・展開・短縮・トーン変更選択した文章をリライトし、長さやテイストを調整する。各コンテンツのエディターで利用。
ブランドボイスの適用設定済みのブランドボイスを選択した文章に適用する。ブランドボイスの事前設定が必要。
画像生成チャットやエディターから画像を生成し、HubSpotのファイルへ保存する。画像生成ではブランドキットも適用可能。
データの要約・分析
機能できること利用条件・制約
マーケティングEメールの実績要約配信結果を要約し、ベンチマークとの比較や改善案を示す。マーケティングEメールの閲覧権限が必要。
キャンペーンの要約・分析成果、目標達成度、関連アセット、予算・支出などを確認する。Marketing Hub Professional以上。
レポートの要約ダッシュボード内のレポートから、数値の傾向や主な示唆を整理する。ファネルレポートなど、一部は要約対象外。
アンケート回答の要約回答に共通するテーマや評価の傾向を整理する。Service Hub Professional以上とServiceシート。回答3件以上が必要。
顧客との会話の要約チャットなどの顧客とのやりとりから、論点や問題点を整理する。会話データへのアクセスが必要。提供状況はアカウントによる。
ワークフローの説明特定レコードが登録されなかった理由などを質問し、処理の理解を助ける。対象ワークフローへのアクセスが必要。
グラフ・図表の生成CRMデータ、アップロードしたCSV、公開Webデータから、会話内にグラフを生成・修正する。PDF出力に対応。レポートライブラリーやダッシュボードには保存できない。
業務の準備・調査・設定作成
機能できること利用条件・制約
ミーティング準備予定に関連する会社・担当者・取引・メール・メモなどを事前に整理する。カレンダー連携が必要。モバイルでも利用可能。
会社調査・アプリ比較企業のニュースや利用技術を調査し、Marketplaceのアプリを比較する。外部情報を含む調査に対応。
HubSpotの操作・製品アップデートの説明機能の使い方や最近の変更を質問できる。更新情報の対象期間や製品を指定できる。
見積もり作成会社・取引情報とテンプレートから見積もりの下書きを作成し、値引きや期間を調整する。Revenue Hub Professional以上とRevenueシート。
ワークフロー作成・アクション編集登録条件とアクションを含むワークフローを作成する。既存エディターではアクションを追加・編集する。Professional以上の対応契約。生成直後はオフ。既存エディター内では登録条件を変更できず、非対応アクションもある。
エージェントの作成支援目的を伝えると、指示・ツール・ナレッジなどの構成案を作り、Agent Builderで調整できる。対応HubのStarter以上(Smart CRM・Revenue HubはProfessional以上)とAgent Builder権限などが必要。実行時のクレジット条件は別途適用。
カスタマーエージェントの改善点の分析回答や情報検索の状況をもとに、コーチング・改善の機会を調べる。カスタマーエージェントの利用が前提。
パートナースキルコミッション、ティア、取引登録、顧客の更新予定などを質問する。Solutions Partner Program参加アカウント向け。
継続利用・外部連携
機能できること利用条件・制約
プロジェクト業務別の指示・参照資料・関連する会話をまとめる。ToolsでWeb検索やCRM書き込みなどを選択する。
保存済み・共有プロンプトよく使う依頼文を保存し、チームへ共有する。オブジェクトのプレースホルダーにも対応。
プロンプトの定期実行頻度と時刻を設定して、依頼を繰り返し実行する。ユーザー個人の自動プロンプトは最大5件。
メモリー・過去の会話の参照役割、文体、繰り返す指示などを記憶し、過去の会話を次の依頼に利用する。保存済みメモリーは確認・削除できる。
アーティファクト会話で作成した文書やHTMLなどを、会話とは別の成果物として保存・共有する。アカウント内共有に対応。HTML・PPTXは読み取り専用URLで外部共有できる。
外部アプリの接続Google Drive、Gmail、Slack、Notion、Asanaなどの情報取得や、対応する操作を行う。接続先のアカウントと権限が必要。対応操作はアプリごとに異なる。
HubSpotモバイルアプリ音声入力、ファイル・画像の参照、プロジェクトの利用、メール下書きなどを外出先で行う。iOS・Android対応。プロジェクトなどは先にデスクトップで設定する。

※2026年10月10日時点の公式案内に基づきます。Breezeアシスタント本体の無料利用と、呼び出す各機能の契約・シート・クレジット条件は別です。機能一覧には、通常チャット、各ツール内のAI機能、接続済み機能を含みます。

実運用での使いどころ

CRMの情報を何度も探し直したり、別の画面へ転記したりする仕事は、Breezeアシスタントの使いどころを考えやすい場面です。ここでは3つに絞って紹介します。

1. HubSpotの機能そのものを聞ける

ワークフローやプロパティーを設定していて迷ったときに、その場で質問できます。最近の製品アップデートについて、要点や関連情報へのリンクを確認する使い方もあります。

プロンプト例(想定)直近1週間の営業担当者向けアップデートを、変更内容と関連するProduct Updatesのリンク付きで整理してください。

回答は調べ始める入口として使い、導入を判断するときはリンク先を確認しましょう。ベータ版への参加が必要な機能もあるため、「紹介された=自社ですぐ使える」とは限りません。

Breezeアシスタントに先週の営業担当者向けアップデートを質問した画面

製品アップデートを質問した過去の画面例。回答内容は質問時点のものです。

2. モバイルで、移動中の確認や思いついたことをその場で処理する

移動中に顧客の情報を確認する、ふと思いついた提案の切り口をメモに残す、外出先で届いた資料を読み解く。パソコンを開くほどでもない場面で、CRMの情報を使ってそのまま仕事を進められるのがモバイルの便利なところです。

  • 訪問先へ向かう途中:これから会う会社の直近のやりとりや、進行中の取引を確認する。
  • アイデアが浮かんだとき:音声入力で提案の切り口を整理し、対象の会社・取引にメモを残す。
  • 資料や名刺を受け取ったとき:画像・ファイルを添付して内容を要約したり、連絡先を抽出したりする。
  • 外出先で返信したいとき:コンタクトの画面から営業メールの下書きを作る。

外部AIで文章を作ってからHubSpotに戻って転記する手間を減らし、顧客情報の確認から記録までを同じアプリで進められます。デスクトップで設定したプロジェクトや過去の会話も引き継げます。

※専用のBreeze Assistantモバイルアプリは2026年6月30日に終了しています。現在はHubSpotアプリを使用します。iOSはホーム画面の「Breezeアシスタントに依頼」、Androidは画面下部の検索バーから開き、入力欄のマイクで音声入力できます。

HubSpotモバイルアプリの日本語ホーム画面。「Breezeアシスタントに依頼」から利用できます。
HubSpotモバイルアプリの日本語ホーム画面。「Breezeアシスタントに依頼」から利用できます。

3. レコード・レポート・ワークフローの要約

日々見るレコード、キャンペーンのレポート、複雑な条件のワークフロー。こういった「中身を読むのがしんどいもの」を短時間で概況把握する使い方は、会議前の下準備に向いています。

レコードの要約には、プロパティーや記録されたメモ・活動が使われます。記録自体が抜けていれば、その情報を要約だけで補うことはできません。

たとえば、要約に「次回提案予定」と出てきたら、根拠のメモを開いて日付と担当者を確認する。要約で全体像をつかみ、意思決定に関わる箇所は原文へ戻る、という使い方が現実的です。

Breezeアシスタントがレポートを分析して要約・示唆を返す画面

レポート要約の過去の画面例。数値や解釈は元のレポートと照合します。

回答の「Sources」から参照情報を確認する画面。HubSpot公式KB掲載画面。
回答の「Sources」から参照情報を確認する画面。HubSpot公式KB掲載画面。

活用事例:Sales Coach Assistant

提供状況について:以下は、旧記事執筆時に利用していたSales Coach Assistantの体験と画面です。旧Marketplaceアシスタントには終了の案内がある一方、HubSpotの公式活用ページには現在もSales Coach Assistantの紹介が残っています。そのため、ここでは当時の利用体験として紹介します。

Breezeアシスタントの中で、自分がよく使っていたのがSales Coach Assistantです。

Breezeセールスコーチの画面

旧記事執筆時のSales Coach Assistantの画面。

ざっくり言うと、過去の「コール」レコードの情報を分析して、フィードバックと次に取るべきアクションを提示してくれる自動コーチング機能です。打ち合わせが終わった後に「このミーティングの振り返りをしたい」と投げかけると、コールレコードにある文字起こし情報を取得し、以下の観点からフィードバックをくれます。

  • トーン、構成、質問力、傾聴スキル、異議対応、価値提案、クロージング技術に注目
  • SPIN、MEDDIC、Challengerなどの営業手法に基づいて強みと改善点を特定
セールスコーチのプロンプト設定

当時のSales Coach Assistantに設定されていたプロンプト。

個人で動いていると、さっきの打ち合わせはよかったのか?と気になってもなかなか振り返る手段がありません。フレームワークに沿ってAIがアドバイスしてくれるこの機能は、個人活動・小規模チームほどありがたみが大きいと感じています。

プロジェクトと保存済みプロンプトで、繰り返す仕事を整える

同じ背景説明や依頼を毎回入力するなら、プロジェクトと保存済みプロンプトを使い分けます。

プロジェクトは、業務ごとの背景と会話をまとめる場所

プロジェクトには、指示、参照資料、関連する会話をまとめられます。旧カスタムアシスタントは2026年7月13日に終了し、自作したものはプロジェクトへ自動移行しました。ただし、ウェルカムメッセージと会話のきっかけは移行されていません。

作成は、Breezeメニューの「Projects」から「New」へ進み、名前・指示・参照情報を設定します。Toolsでは、Web検索や「Write to the CRM」など、必要な機能を選択します。Accessはそのプロジェクトを利用できる人の設定です。CRMの「プロジェクト」オブジェクトとは別の機能です。

プロジェクトの設定例。画像では「Write to the CRM」が選択されています。初期値や全アカウント共通の状態を示すものではありません。HubSpot公式KB掲載画面。
プロジェクトの設定例。画像では「Write to the CRM」が選択されています。初期値や全アカウント共通の状態を示すものではありません。HubSpot公式KB掲載画面。

プロジェクト名は、毎回の仕事から考える

たとえば「商談前の準備」「既存顧客への提案準備」のように、何をする場所か分かる名前にします。用途を広げすぎず、必要な資料と出力形式を絞るのが、運用を始めるときの考え方です。以下は設計の想定例です。

用途用意する情報欲しい結果
商談前の準備対象会社・取引、直近の活動、確認事項状況整理と次に聞く質問
顧客事例を使った提案準備公開・利用可能な事例、対象顧客の課題使える事例と、適用できる理由・できない条件
社内手順の確認更新日と責任者が分かる手順書該当する手順と参照元

「正しく答えて」という指示だけでなく、情報が足りないときに何を確認するかも決めておきます。たとえば、顧客名が曖昧なら候補を提示する、古い資料しかなければその日付を伝える、といった約束です。

保存済みプロンプトは、よく使う依頼文の再利用

毎回同じ形で要約したい、商談前の確認事項を同じ順番で出したい。こうした依頼文を保存し、次のチャットで呼び出せます。チーム向けの共有も可能です。

たとえば「対象会社/対象期間/出力する項目/不明点の扱い」をひと組にしておけば、毎回の依頼にばらつきが出にくくなります。プロジェクトで背景を持たせ、保存済みプロンプトで依頼の型をそろえると考えると、使い分けやすいです。

ただし、保存した指示に「書き込まないで」と書くことと、権限で書き込みを止めることは別です。業務上の約束をプロンプトに書いたうえで、必要な制限は設定でも確認します。

Breezeアシスタントを読み取り専用で使いたいとき

担当者には、通常業務でCRMを編集してもらいたい。でも、AIに同じ範囲の変更を任せてよいかは別に考えたい。導入時には、このような相談も出てきます。

アシスタント全体の権限と、プロジェクトの機能を分けて考える

公式KBは、Breezeアシスタントが実行できる操作はユーザー権限によって決まると説明しています。また、2026年10月9日のCommunity Managerの回答では、Breeze AssistantのCRMアクセスだけを読み取り専用にする専用設定はないと案内されています。これはスタッフによる個別の説明であり、将来の提供予定を確約するものではありません。

一方、プロジェクトには「Write to the CRM」という選択項目があります。プロジェクト内で書き込み機能を使うかを検討する際の確認箇所ですが、これだけでプロジェクト外を含むBreeze全体の書き込みを禁止できるとは扱いません。

やりたいこと確認する設定・運用混同しない点
特定の人にBreezeを使わせないそのユーザーのBreeze Assistant利用権限参照・要約だけの許可とは異なる
人の通常操作も含め、CRMの編集を制限するユーザーのCRM権限AI経由だけを制限する設定ではない
特定のプロジェクトでは書き込み機能を使わないプロジェクトのToolsと運用範囲プロジェクト外の利用まで禁止できるとは限らない
AIだけの書き込みを全体で禁止したい要件を具体化し、HubSpotへ提供条件を確認する専用設定がある前提で運用を決めない

ユーザー単位のBreeze利用権限は、AI導入時の公式ガイドでも案内されています。

書き込みの制限を考えるときの範囲。公式KBとCommunity回答をもとに作成した説明図。
書き込みの制限を考えるときの範囲。公式KBとCommunity回答をもとに作成した説明図。

プロパティー制限だけで、完全な読み取り専用にはしない

特定のプロパティーの閲覧・編集を制限する機能には、Enterpriseなどの契約条件があります。さらに公式KBは、API経由やレコード作成時などの制約があり、完全なアクセス制御を提供するものではないと明記しています。重要な項目を制限しただけで、AI全体の書き込みが止まるとは考えないほうがよいです。

導入前は、任せたい操作ごとに確認する

次の表は、設定を検証するときの記録例です。実施済みのテスト結果ではありません。画面で項目が見つかることと、期待する制限が働くことを分けて確かめます。

確認する操作事前に決めること確認する結果
検索・要約参照させてよいレコードの範囲必要な情報を参照でき、権限外の情報を扱っていないか
新規作成・メモ追加許可する対象と関連付け意図した対象に、意図した内容だけが記録されるか
既存値の更新更新してよい項目と確認者更新前後を確認でき、期待する制限が働くか
プロジェクト外の利用通常チャットの利用を含めた要件プロジェクト内だけの設定を全体の制限と誤認していないか
設定の変更誰がToolsや共有範囲を変更するか確認した設定を運用中も維持できるか

本番の顧客データでいきなり試すのではなく、影響を管理できるテスト用レコードで、実際に利用するロールから確認します。「更新は任せない」という要件を設定で満たせない場合は、出力を人が確認して転記する方法なども含めて運用を決めます。

変更の追跡には、利用できる監査ログやプロパティー履歴も確認します。ただし、監査ログの対象は契約や操作によって異なります。すべてのAI操作を同じ粒度で追跡できる前提にはしません。

使う前に押さえておきたい前提条件

1. 回答の質は、元データとプロンプトに依存する

Breezeアシスタントの回答の質は、参照できるCRMデータ・資料と、何を求めるかを伝えるプロンプトに依存します。顧客とのやりとりが記録されていなければ、その文脈は回答に反映されません。会社やサービスの情報が不足していれば、一般論に寄りやすくなります。

会社情報や対象顧客など、複数のAI機能で共通して使う情報はAIコンテキストで管理します。現在の公式案内は「Agents → Agent Hub → Context」です。特定の用途で使う資料をまとめるナレッジ保管庫とは役割が異なります。

会社紹介やICPを登録して終わりにせず、サービス内容が変わったときに誰が更新するかまで決めておくと、古い説明の使い回しを減らせます。

2. AIに読ませるデータと、学習への利用を分けて確認する

AI設定では、生成AI機能、Breezeアシスタントの利用、CRM・顧客との会話・ファイルへのアクセスなどを管理します。設定場所は「設定 → アカウント管理 → AI(AIアクセス)」で、管理にはスーパー管理者権限が必要です。さらに、顧客データをHubSpotのAIモデル学習に利用するかの設定は別にあります。学習への利用をオフにしても、AI機能自体は利用できます。

日本語のAIアクセス設定画面。生成AIの利用と、CRM・顧客とのコミュニケーション・ファイルへのデータアクセスを切り替えます。
日本語のAIアクセス設定画面。生成AIの利用と、CRM・顧客とのコミュニケーション・ファイルへのデータアクセスを切り替えます。
日本語のBreezeアシスタント利用権限の設定。画像のオン/オフ状態は撮影時のアカウントの設定で、推奨値や初期値を示すものではありません。
日本語のBreezeアシスタント利用権限の設定。画像のオン/オフ状態は撮影時のアカウントの設定で、推奨値や初期値を示すものではありません。

「回答の材料として読ませるか」「モデル学習に利用するか」「何を変更できるか」は、それぞれ確認すべき項目です。ひとつの設定を見て、全部決まったと考えないようにします。

3. 外部アプリは、接続先ごとの権限も確認する

Breezeアシスタントには、対応する外部アプリを接続し、情報の取得や対応する操作に使う機能があります。アプリごとにできることが異なり、接続先のアカウントも必要です。

便利な連携でも、必要な情報と操作が増えるほど確認する範囲は広がります。まずはCRM内でひとつの用途を決め、外部資料が必要になった段階で連携を追加する進め方でも十分です。

HubSpotのAI全体やクレジットの考え方は、HubSpotとAI 活用ガイドで扱っています。この記事では、Breezeアシスタントを日々の業務にどう組み込むかを中心に整理しました。

執筆後記

Breezeアシスタントは、ChatGPTやClaudeの代わりになるAIというより、HubSpotを主業務基盤にしている組織が、CRM内の文脈を使って“準備・整理・再利用”を高速化するためのレイヤーだと捉えるのがしっくりきます。

勝ち筋は、標準機能を眺めて満足することではなく、プロジェクトの設計、ナレッジ接続、CRMデータ整備にあります。このあたりは順番を間違えると「AIを入れたのに使われない」パターンに直結しやすいので、小さくてもいいので1つ、業務特化のプロジェクトを作って運用に乗せてみる、というところから始めるのがおすすめです。

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